魔法にかかったロバ

魔法にかかったロバ

ちゃんゆり

とあるワンルームマンションに、ひとくちコンロと女子大生がいた。
コンロは彼女に言った。
「IHの私を使って、20職分のおでんとケーキを作ってみろ。」
両隣にいたブレーカーと時計の鼓動は早くなる。
彼女は、額に少し汗をにじませ、にまっと笑ってこう言った。
「わかりました!」

彼女は目的達成のためなら、手も足も頭も休めない。
納得がいくまでとことん試作。研究。
本場の味が知りたくなったら、ためらわず旅にだって出る。

研究に研究を重ねた彼女は、やっとできた20職のおでんとケーキを、
一口コンロの上にでんと置き、にまっと笑ってこう言った。
「舐めんにゃよ。」

ひとくちコンロの料理人 水野優里子

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